ニューオータニ美術館「広重・名所江戸百景」 | うさ吉のきままダイアリー

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浮世絵の美術展にわざわざ足を運ぶほど今まで浮世絵に興味を持っていたわけではない、というより代表的な浮世絵師とその代表作ぐらいしか知らないというレベルなんだけど、ニューオータニ美術館のちらしに使われていた↑この絵を見て妙に惹かれ前期・後期と通して見てきました。

↑の絵のように近景を極端にズームアップして描いたり、「日本橋江戸ばし」では端っこにぼて振りの桶に入った鰹を配置してさりげなく季節を感じさせたり、「真乳山山谷掘夜景」では芸者を先導する人が持つ提灯をほんの端だけ描いて風情を出したりと、構図の大胆さおもしろさ、色使いのうまさ、どれもこれもすばらしかったです。そして一番有名な「大はしあたけ夕立」(これはワタクシでも知っている)、雨脚の強さと慌てて橋を渡って帰る人々の様がリアルでほんとに感心しちゃいました。

名所の中でも自分に縁のある場所が出てくると昔はこんな景色だったのかぁと、そして縁のない場所でも江戸が舞台の時代小説によく登場する場所だとこうゆう光景なのかとイメージが湧いてそれもまた楽しかったです。また各名所の今昔を対比したスライドを映し出していて、わずかに面影が残っていたり、あるいは全く変わってしまっていたりとおもしろい展示もありました。昔はいろんなところから富士山が見えたのですねぇ。そして江戸の海や川、堀や沼などの水辺の多くが消えてしまったのだなぁ、ということがよくわかります。

ニューオータニ美術館は7月1日までですが、芸大美術館 では7月7日からやはり「名所江戸百景」の全作品を展示するそうです。また行っちゃう?!というくらい気に入ってしまいました。しかも300円と安いっ(ぎゃっ)。見るたびに新しい発見がありそうな予感です。